つい先日、故郷の友人と久しぶりに会う機会がありました。
さまざまな話をしているうちに、友人が、ふと・・・
「芸術の中で、絵画や彫刻や写真、小説などといったものは後世に残るけれども、
音楽は消え去ってしまって、後に残らないんだよね」と、つぶやくように言いました。
友人は、学生時代に大学のオーケルトラ部に所属し、
今も、忙しい仕事の合間に、趣味でホルンを吹く〜という人です。
「確かに芸術の中で、音楽は目の前に残らないものかもしれないけれど
でも、音楽の与えてくれる一瞬の素晴らしい感動は、人生の中で一生、残るものだと思うよ」
・・・と、私はそう答えました。
すると、友人は「そうだね。言葉もそうだものね。」と、笑って、そう言ってくれました。
遠い昔、大学の講義中に、ある先生が言った言葉をふと思い出しました。
「歯科医は外科医である。患者の体にその治療の痕跡を一生、残してしまうのだ。
君たちはそのことを忘れずに、心して、患者さんの治療に当たらなくてはならない」
残るもの、残らないもの、見えるもの、見えないもの・・・
友人とのたわいもない会話から、いろいろなことを思っています。